ライフスタイルの欧米化にともなう高脂肪食の浸透や、運動不足といった生活習慣の変化によって、糖尿病、脂質異常症、肥満症、メタボリックシンドロームといった生活習慣病が急増しています。こうした状況の改善を目指して、糖尿病・代謝・内分泌内科では、各種検診・健診を受診し、初めて指摘された軽微な異常やメタボリックシンドロームといった状態から、各種の合併症を伴った重症の糖尿病まで幅広く診療に取り組んでおります。
さらに2018年4月より内分泌疾患について、旧心血管・腎臓・内分泌内科から診療を引き継いでいます。
糖尿病
一般に一言で「糖尿病」とまとめられますが、その病態は複雑で患者さん一人一人によって全く異なります。また、同じ患者さんにおいても過去・現在・未来とその時間の経過に応じて病態が変化します。年齢、発症からの経過、罹病期間、合併症の進行の程度、更には患者さんの生活環境や価値観、周囲の援助の状況など、さまざまな要因が治療の方針決定に関係してきます。こういった患者さんそれぞれの糖尿病の状態や背景などを評価した上で私たちは治療に取り組みます。
近年、糖尿病治療は著しく発展しています。私たちも新しく出てきたSGLT2阻害薬やインクレチン関連薬(DPP4阻害薬、GLP−1作動薬)を積極的に取り込みながら、これまでのインスリンや内服治療と組み合わせて適切かつ最新の治療方法を提案しています。
糖尿病・代謝疾患は、全身疾患であり様々な合併症を引き起こすことが特徴で、治療の目的は合併症の予防にあります。合併症は網膜症、腎症、神経障害、動脈硬化性疾患等を代表に全身の臓器の多岐に渡ります。私たちは大学病院ならではの専門性を生かして、各診療科の専門家と連携しながら最新の検査・治療を展開しています。
糖尿病治療の基本となる食事療法に関しても、管理栄養士との密接な協力のもと、患者さんの1日の摂取カロリーの把握や日常の食生活への適切なアドバイスを行っております。
脂質異常症
生活習慣の変化にともない脂質異常症の増加は著しく、患者数としては糖尿病を大きく上回ると言われています。私たちは生活習慣の改善提案と、適切や薬物治療によって、動脈硬化性疾患の予防に取り組んでいます。
一方で、私たちは家族性高コレステロール血症に代表される原発性高脂血症の診療に積極的に取り組んでおり、診断が難しい脂質異常症の患者さんが県内各地から来院されます。
肥満症
健康障害をともなう過体重は肥満症という病気です。私たちは肥満症の合併症を正しく評価するとともに、原因である肥満の改善に向けて生活指導を行っています。減量入院も受け入れ、肥満外科治療を軸に外科と連携しています。
高尿酸血症
痛風の原因となる高尿酸血症に対しても、検査・治療を行っております。
その他、代謝性疾患全般や一部の内分泌疾患に関する診療に取り組んでいます。
内分泌疾患
主として下垂体疾患、甲状腺疾患、副腎疾患の診療を行っております。ホルモンの過剰や欠乏に伴って特徴的な症状を呈する患者さんや、若年発症あるいは治療抵抗性の高血圧を呈する患者さんに対して、内科的診断に必要な各種負荷試験、外科的治療前の評価等を行います。その後ホルモン補充療法など患者さんの生活を維持するための治療を継続し、必要な生活指導を行います。
施設認定
- 日本内科学会認定教育施設(岩手医科大学)
- 日本糖尿病学会認定教育施設
- 日本肥満学会認定肥満症専門病院
- 日本動脈硬化学会専門医認定教育施設(岩手医科大学)
- 日本内分泌学会認定教育施設(岩手医科大学)
- 家族性高コレステロール血症が紹介可能な施設(日本動脈硬化学会)
- インスリンポンプ取り扱い医療機関(糖尿病ネットワーク)